鉄塔の装備

電力を安全・安定を保って送るために鉄塔には様々なものが
取り付けられています。そんな装備品を紹介します。

腕金(うでかね)
送電線の電線を支えるためのアームはこう呼ばれています。
3相3線式(送電線の電気方式にて解説)を採用している送電線
がほとんどなので、特殊な鉄塔を除き、3か3の倍数の数の
腕金を備えている鉄塔が多いです。
架空地線(がくうちせん)
多くの送電線の鉄塔の一番上に付いている電線がこう呼ばれて
います。送電線に落雷したとき、本線への直撃を防ぐための線で
鉄塔を介して地面と繋がっています。いわばビルで言う避雷針です。
碍子(がいし)
送電線に使われている電線は、太くなり過ぎないように、絶縁被覆
をかぶせていない裸電線が多く使用されています。そのため、鉄塔に
電線を付けるために、絶縁体であるせとものを介して取り付けていま
ます。付け方によって様々な形態に分類でき、碍子自体もいろいろ
な種類があります。
ジャンパー線
写真の様な耐張碍子と呼ばれる碍子の取り付け方をしている鉄塔に
は、前の電線から次の電線へつなぐ接続線があります。丸く下に膨ら
んでいる電線がそれです。送電線を部分的に運転停止させるときや
工事をする際はジャンパー線を外しておくことが多いです。
アークホーン
碍子の両端より飛び出しているクリップのような器具がこう呼ばれてい
います。これは、架空地線ではなく、万が一送電線に直接の落雷、もし
くは、鉄塔を流れる落雷の電撃が碍子の絶縁を破って流れようとするさい
に絶縁間隔がこちらの方が短いので、こちらに電気を流して、碍子の破損
等を防ぐために取り付けられています。雷がいかに送電線にとって脅威で
あるかが見てわかる装備です。
ダンパー
送電線の碍子付近に取り付けられている棒状の部材の両端に部品が取
りつけられた器具です。電線が風などで揺れると、鉄塔付近の支持部
に力がかかり、最悪の場合電線が切れて大変なことになってしまうので、
このダンパーを取り付けて、振動エネルギーを吸収しているのです。写真
のタイプは「ダブルトーショナルダンパー」と呼ばれるタイプで、他にもいくつ
か種類があります。
光通信用機器
近年の送電線は、架空地線に光ファイバーと呼ばれるケーブルを内蔵して、
データ通信として利用している箇所が多くあります。その通信用の機器が
鉄塔に取り付けられており、主に保守点検のための情報を流しています。
看板類
周りの人から見える高さには、当然ながら注意看板等が取り付けられていま
すが、写真のように番号が書かれた看板は、起点からの番号を表わしており、
一部の送電線を除き、電気の流れてくる方ほど数字が小さくなります。ただし、
この番号は鉄塔の建て替えによる欠番、もしくは間に鉄塔を追加してハイフン
付きの番号が出来たりするなど、必ずしも起点からの鉄塔の数とは一致しない
場合があります。

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