何も変わらなかった武蔵野線鉄塔
銀林みのる様の「鉄塔武蔵野線」で一躍有名になった武蔵野線。
小説に掲載されていた時は、中東京変電所から直接武蔵野変電所に繋がっていたのですが、
現在は中東京変電所側から「武蔵赤坂線」「武蔵野連絡線」「武蔵野線」と名前が変わっていて、
番号・名称ともに小説掲載当時のままとなっている鉄塔はなくなってしまいました。
が、1本だけ片山線9号は、元々武蔵野線名義でなかったので、小説に載った武蔵野線鉄塔では唯一
表示類は一切変わりませんでした。今回は、そんな片山線9号にスポットを当ててみました。


川の近くの公園のそばに立つ9号鉄塔。
片山線が上を通り、武蔵野線は下です。
腕金は武蔵野線のみ中段が長い形態になっています。
武蔵野線の当初鉄塔に合わせたのでしょう。


正面から見てみます。片山線名義の鉄塔ですが、
武蔵野線に合わせた方向に立っています。
武蔵野線と片山線を1つの送電線として集約しないのは、
送電線を2重に用意して、万が一の片方の事故時でも
もう片方を使って電気を送れるようにするのと
武蔵野線に堀ノ内変電所があることが関係していると考えられます。


結界はもちろんコンクリート敷き。
大きい鉄塔なので結界も広いです。


結界写真。画面上下に垂直に通っているのが武蔵野線。
片山線は斜めです。


塗装年月の記録もありました。昭和60年塗装ということは
塗料も小説登場時からかわってないということですね。
最も、これは将来塗り替えられると思いますが・・・


高さは154kV2回線分の高さがあるので、他の片山線鉄塔よりも高い
68Mとなっています。上下ともにV吊り碍子で2路線交差の紅白鉄塔は
突然現れたらだれでも「なんだこりゃ」と思うでしょう。


おまけにオウム君看板。

見晴君が嫌いだという鋼管鉄塔。
他の武蔵野線鉄塔の優美な姿とは違うものものしい鉄塔。
その姿で片山線9号は、今日も東京都北部への電気を一生懸命運んでいます。
もしこれから武蔵野線をたどってみようという方がいたら、ぜひこの片山線9号の下で
見晴君気分を堪能してみてはいかがでしょう?
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