頭がなくなった?(2)
今回は、三浦半島の山の中に立つ鉄塔です。
三崎線45号鉄塔です。昭和35年建設の三崎線開通当時からの
鉄塔ですが、見ての通り、ご自慢のてっぺんの尖がりが見事に切り取られています。
なんだかかわいそうにも見える鉄塔ですが、ちゃんとわけがあって切られているのです。
この鉄塔を下から見あげると、その答えが見えてきます。
見あげると、そこには4導体の電線が頭上を通過しています。
真上を通るのは東京南線3.4号線で、三崎線より4年後に
建設されています。
すなわち、3.4号線を通した際、電線の間隔を確保するために
三崎線の架空地線を撤去し、同時に45号は頭が切り取られた
と考えられます。三崎線45号が建てられた時点で尖がりが
あった場合、気取った尖がり姿はわずか4年しか見られず、
そこから約半世紀、この切り取り姿で頑張ってきたというわけですね。
三崎線45号の近くにそびえる東京南線3.4号線25号です。
頭を失った三崎線を気にも留めず、ただ、送電鉄塔として
の役割を果たしています。
そんな三崎線や東京南線も、3.4号線を最後に
全て50年選手となります。これからも各線とも
元気でそびえ続けてほしいものです。
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